2024年8月26日(月)、この日はギルギット・バルティスタン南部、KKH(カラコルムハイウェイ)沿いのチラースという町で朝を迎えた。
ここからはギルギット・バルティスタンを離れてKP(ハイバル・パフトゥンハー)州のスワート地方に向かう。今日は途中のベシャムという町まで行く予定。昨日聞いたところ、ベシャム行きの便は8時発とのことで、5時半に起きて準備。6時半にホテルを出発した。
チラースの町はKKHから丘を登ったところにあり、下のバス停までは3kmほどある。まずは谷沿いの道を下ってKKHに下りる。
途中の商店で店主に呼び止められ、チャイを勧められた。ありがたく頂く。
ここは茶店ではないので、自分で飲む用にポットに用意しておいたもののよう。朝食が食べられるかわからないのでありがたい。
ようやくKKHが見えてきた。
7:15バスが出ると聞いていたパキスタンホテルに到着。しかしこの時間のベシャム行きは少し先のラホールホテルから出るとのことでそこまで歩く。
ラホールホテルは国営バスNATCOの発着地になっているようだ。
ベシャム行きはコースター(大型マイクロバス)で、チラースからベシャムまでは1500ルピーと高い。しかし他に選択肢がないので払うしかない。
朝食を食べると途中で便意を催しそうなのでここでもチャイだけにしておいた。80ルピーと高い。
ようやく8:50チラースを出発。高いだけあってハイエースようには詰め込まれないので楽ではある。
ベシャムもKKH沿いにある町で、今日はひたすらインダス川に沿ってKKHを走ることになる。
しばらく進むと検問待ちの長い列。KKHは州境になってるインダス川沿いを進むのではっきりしないが、ここがKP州とギルギット・バルティスタンの境になっているのかもしれない。外国人は降りてパスポートとビザのチェックを受ける。
お昼前に停車したので昼食休憩かと思ったら、
水を飲んだだけで終了。沢水のようでうまかった。
この辺りから両岸に山が迫る山岳地帯に入っていった。
13時を回っても昼食にならないので、堪りかねてファンダールに行く前に買っておいたビスケットで昼食とした。Marie Biscuits、100ルピー。
すると14時過ぎにようやく昼食休憩となったが、
さっき食べたばかりだし、中途半端なのでペプシだけにしておいた。100ルピー。
簡易的なモスクもあり、大人はお祈り、子供はコーランの勉強中。
ここからはさらに深い谷になっていく。そして検問の度にパスポートチェックがある。KP州に入ると明らかにその頻度が増えた。
かなりの高度感。ここから落ちたらさすがにひと溜まりもなさそう。
ようやく谷が開けてきたところで16時過ぎ、ベシャムまであと40kmほどのパタン(Pattan)という小さな町で停車。
さっきから車の調子が悪く、どうやら半クラが効かないようで始動とともに無理矢理ローに入れて発進していたのだが、ここで修理するようだ。
下に潜ったり、フロントパネルを外したりして懸命に修理している。これは大事になりそうだ、と思っていると1時間半ほど経った17:40再び発車となった。ふ〜。
夕暮れが迫るパタンの町を振り返る。
橋はほとんど見あたらないが、
するとベシャムに入るところでまた検問。警官はフレンドリーだが、機関銃を配備した物々しい検問所だった。
ようやく前方にやや大きな町が見えてきた。何とか明るいうちに着けそう。
そしてまだ明るさが残る19時前、11時間掛かって無事ベシャムに着いたのだが、私は降ろしてもらえず、
そのまま町外れの警察署へ。警察官は別に高圧的なわけではなく、至ってフレンドリーではあるが、、、一体何なんだこれは!
そこでしばらく待たされた後、警察官の同行のもと向いにあるMarriott Hotelに連れてこられた。どうやらここに泊まらされることになりそう。どう見ても私が払えるレベルのホテルではないが、予算は2000ルピーだというと交渉してくれて、
充てがわれたのは別棟の物置部屋のような部屋。パッと見きれいだが、所々にネズミの糞が転がっていて1500ルピーでも高いくらい。しかし一晩だけだ。時間も時間だし、我慢するしかないだろう。20時過ぎにようやく落ち着くことができた。
さて、夕食に出掛けようとするとまた止められて、しばらくフロントで待たされた後、マシンガンを持った護衛付きで出掛けることとなった。ベシャムはそんなに危険な町なのかと聞くと、いやそうではない、セキュリティの問題だ、とか言うのだが、一体どうなっているのやら。。。
バザール方面に歩きながら予算に合う店を当たっていって3軒目、ようやく手頃な食堂を発見。チキンもあったけど無難なキーマを選択。タマネギのサラダにヨーグルトも付いた。
日本のインド料理店で出るようなでっかいナンが印象的。特別うまかった訳ではないが、値段が250ルピーだったので満足度は高め。下が護衛の警察官。23歳だと言っていた。そして再び警察官に部屋に入るのをの見届けられ、移動と検問とプチ軟禁だけの長かった一日が終わったのだった。
ベシャムは活気があってなかなかおもしろそうな町だったが、結局自由に歩き回ることもできず。明日も出発前に警察署に寄るように言われているし、とんだところに来てしまったようだ。今日はさっさと寝て、明日朝一番に脱出することにしよう。