2024年8月19日(月)、前回は夜も眠れないくらい暑かったギルギットだが、この日は涼しいとまではいかないまでも、暑すぎることはなく快適な朝を迎えることができた。
天気予報を調べてみると前回は初日38℃、2日目37℃という異常な暑さだったみたい。そんなこともあってか気が付くと既に7時過ぎ。起きるとすぐに朝食に出掛けた。
いつもの店でナンとチャイのシンプルな朝食、80ルピー。さて、ここからはギルギット川を北西方向に遡ってギザール地方(Ghizer)を巡るつもり。
今日は70kmほど先のガクーチ(Gahkuch)まで行く予定。昨日調べたところ朝は9時と10時の便があるとのことで、9時の便に乗ろうと8時にホテルをチェックアウトして出発。
ギザール方面のバススタンドはジャマー・マスジットの裏手にある。
標識も出てないし、人に聞かないと絶対わからないような場所。逆に、人に聞けば誰でも懇切丁寧に教えてくれるのですぐにわかる。
ガクーチ行きのバン。ガクーチまでは480ルピーだった。9時発と聞いていたが、実際に出発したのは9:50。
ギルギット川沿いの道を進む。道路状況は概ね良好だが、
途中崩落箇所も結構あり。
一箇所検問があり、外国人はパスポートとビザのチェックがあった。ギューギュー詰めの最後列窓側席だったので、狭い窓からの出入りを強いられた。
釣りができそうないい感じの流れを発見!
ガクーチより10kmほど手前のブブール(Bubur)というところ。標高6300フィート(約1900m)の表示がある。ガクーチは2000mくらいかな。
2時間半ほど走って12:20ガクーチのバスターミナルに到着。
先日泊まったフンザのアリアバードを思わせる、幹線道路沿いに広がった宿場町の雰囲気。早速ホテル探しに掛かる。
高そうなホテルはパスしてたどり着いた1軒目のGC Hotel、
ソファーまであるまあまあきれいなダブルが2000ルピーのところ、予算通りの1500になったので即決。
パキスタンのホテル探しは外国人不可のところが多くて苦労するが、インドなんかに比べると値段の割に清掃もそこそこ行き届いていて部屋レベルは相当高いのがうれしい。荷物を置いて昼食に出掛ける。
この辺りがバザールか。
小ぢんまりとしているけど活気があって賑やかな雰囲気、すぐにこの町が好きになった。
メインストリートをひとしきりぶらついて、昼食はホテル近くのケバブ屋に入った。店先で焼いているのはチキンだし、他の人はみんなチキンを食べているのでそれにしようと思っていると、何も言わないままなぜか私には別のやつが。
聞いてみるとビーフだという。最初10本も持ってこられたが、さすがに多すぎるので3本にしてもらった。程よくスパイシーで、酸味が効いたチャツネに漬けるとめちゃうま!しかもこれが100ルピーという。いくらなんでも安すぎる。たぶん逆ボッタクリのおもてなし価格だろう、パキスタン人の優しさが身に染みる。
近くの茶店で食後のチャイ(50ルピー)を飲み、
八百屋で久々に見かけたモモを買って帰った。1kg300ルピーで500g購入。
さて、ホテルに戻ると黒い雲が掛かってきて怪しげな雰囲気だが、地図を見るとここから2kmほど先に支流が2本流れ込んでいるようなので釣り具を持って行ってみることに。
俄に突風が吹き始め、ちょっとイヤな雰囲気の中、繁華街を離れて一本道をひた歩く。
しかし気が付くと1本目の支流は既に通り越しており、Google mapを見ながらたどり着いた2本目は多分これ。確かに水が流れた気配はあるけど川はなし。1本目もそうだが、橋もないし、普段は伏流しているのかも。
これではどうしようもないので諦めるよりほかない。今日はこれくらいにしておいてやるとして、ガクーチは居心地がいいのでもう1泊して、明日行きがけに見つけた支流にでも行ってみようか。それにしても、ドロ濁りの次は渇水の水なしとは。。。
強風で痛いくらいに砂塵が吹き付ける中、仕方ないので来た道を戻る。ただ幸いに、雨には降られずに済んだ。
町外れの八百屋の少年。写真を撮るというと真面目な表情をして大人みたいだが、多分小学校高学年くらいの子供。
部屋に戻って水浴びと洗濯を済ませ、おやつに買ってきたモモを食べる。濃厚なマンゴーも好きだけど、あっさりとしたモモも捨てがたい。日本でも食べられるけど、高くてなかなか手が出ないですしね。
夕方になると更に曇ってきて雷も鳴りだした。天気は下り坂のよう。大雨で川が大増水とかならなければいいのだが。。。
それはともかく、パキスタン料理はこれまで基本的に辛くないものばかりだったが、ここのはピリ辛でめちゃくちゃうまい。最早カレーというより焼き肉を食べている気分。ここのところお腹を壊したこともあって毎食ロティやナンは1枚に抑えていたが、肉が多すぎて2枚目に突入した。
これがたったの300ルピーだったので更に驚くことに。上の写真は食後に撮らせてもらったものだが、パキスタン人は写真となるとみんな真面目な表情になる。右の白っぽいシャツの青年はロティ職人。いつもの事だが中国人かと聞かれるので日本人だと答えると、彼はパシュトゥーン人(アフガン系)だそう。
満ち足りた気分に浸りながら別の店でチャイを飲む。店主と常連客にほぼウルドゥー語で話しかけられ、身振り手振りでこれからファンダール(ギザール地方の西側最奥)方面に行くんだと言うと、「ファンダールはノーオキシジェンだ」と言った(気がした)。真意はわからないが「標高が高くて空気が薄い」と解釈しておこう。
そして代金を払おうとするといいと言って受け取ってくれず。更に、、、帰りに水を買おうと商店に立ち寄るとここの人たちは英語が話せて、この辺りの印象を聞かれたので「景色はきれいだし人々はフレンドリーだし最高だ」と答えると、「それにとても平和だ」と付け加えてくれた。本当にその通りだ。
それに「道路状況が悪くて旅行者に申し訳ない、でももうじき良くなるはずだ」とも。いえいえ、そんなのほんの些細な問題ですよ。そして「俺からの気持ちだ、冷たいものでも」とジュースを持たせてくれたのだった。親切すぎるパキスタンの人々、ここまで来るともう申し訳ない気分にさえなってくるのだった。。。