2024年6月21日金曜日

遂に禁断のスペイスイベルを導入

 ここ数年、フラットビームに代わるシューティングラインとして海釣り用の道糸をいろいろ試していて、ようやくある程度使えそうなものの目途がたってきたところ。

それに関してはいずれ気が向いたら記事にするとして、その過程で問題になっているのが糸ヨレ。

以前はほどんど巻きグセが付かないエアフロ製のシューティングヘッドを使っていたので気にならなかったのが、数年前からエアフロ特有の問題でウレタンの経年劣化(加水分解)が始まって手持ちのラインがほぼ全滅。軒並み使用不可能に。

それで数年前からはシンキングはSAに比べればだいぶマシな昔のオービスのシューティングヘッド(恐らくコートランド製)を、インターミディエートはSAの中でも比較的マシなタイプ1をメインに使うようになっている。

ただ、マシだとは言えどちらもエアフロに比べると巻きグセは付きやすいので、釣りを終える頃にはシューティングヘッドとの継ぎ目付近のランニングラインがぐるぐるにねじれることになる。酷いものでは1つのプールを流し終えるともうぐるぐるの状態。

スペイ系のキャスティングの場合、回転運動を伴うのでラインが撚れやすいとよく言われているけど、糸ヨレの原因はそれも多少あるとは思うけど一番大きいのはライン(シューティングヘッド)の巻きグセだと思っている。

最近のものは知らないけど、一昔前のSAのタイプ2、タイプ3あたりは硬くてすぐに巻きグセが取れなくなり、ライン自体がスクリューのようになってしまうのだ。恐らくスイングしながら水中でぐるぐる回転していることだろう。これは巻きグセが酷いラインと付きにくいラインを比べてみればすぐにわかる。

それでも、ランニングラインにフラットビームを使っているうちはまだよかった。というのも扁平ラインは捻じれると見た目ですぐにわかるので、気になったときはこまめに捻じれを戻してやればそれで済む。

捻じれを取る方法は、ランニングラインを巻き取ってヘッドをトップガイド近くまで持ってきたところでロッドを回転させて戻す方法もあるけど、私の場合はロッドの中間部くらいまでヘッドを引き込んで、その状態でラインをまっすぐ下流に流しておいて指でつまんでくるくる回して取っている。

ところが断面が丸い普通のナイロンラインだと、パッと見どの程度捻じれているのかわかりづらい。それで釣り続けているうちにだんだん捻じれがランニングライン先端から手元まで降りてきて、リトリーブで回収したラインがよれよれになってしまう。

それでもライン捌きに慣れていれば、流れが効いているポイントでは大した問題にはならないが、反転流の中に立ち込んで釣ったりしているといつの間にか手元のラインがぐちゃぐちゃになっていたりするのだ。

私が試してきた多くのライン、特に磯釣り用やカゴ釣り用のラインはどれも初期性能はすばらしくて問題なく使えるものが多いけど、コシがないラインは次第によれよれになっていく。それが一旦絡んでしまうともうダメで、際限なく絡むようになってくる。

だからと言ってフラットビームはもう廃番だし、まだ市販されているフラットモノもいくつかあるみたいだけどインフレでもう手を出しづらい値段になっている。なのでこれからも末永くこの釣りを続けていくためには、道糸の中でも比較的マシなものを選んで使っていくしかないだろう。

そんなわけで手当たり次第に海釣り用ラインを試しているのだけど、かなりいいと思ったものでもやっぱりシューティングヘッドの巻きグセからくる糸ヨレばかりは如何ともしがたく、釣りをするたびにイライラが募っていくことに。

そんあこともあって遅ればせながら、今ではすっかり定番になっているスペイスイベルを私も試してみることに。ヨリモドシを使うなんていかにもフライフィッシングらしくなくて心理的にかなり抵抗があるけど、もはや背に腹は代えられない状況。

ということで今年3回目のサクラマス遠征に出発する前、2つだけ作ってこの時期よく使うロッド用のラインに付けてみた。使ったのはNTパワースイベルの8号。ガイドを通るときの抵抗をできるだけ小さくしたいし、重いとキャスティングにも影響が出る。


その点このNTパワースイベルは同じサイズでも他社のものより1.5~2倍くらいの強度があり、8号でも27㎏ある。27㎏と言えば約60ポンド。これなら40~50ポンドのランニングラインでも安心して使える。

NTスイベル NTパワースイベル #8

これに、できるだけ全体を小さくしたいので25ポンドのブレイデッドラインに20ポンドダクロンのバッキングラインを芯として通したものをスイベルに通して折り返し、タイイングスレッドで巻き留め、最後に接着剤でコーティングして完成。


わざわざブレイデッドラインにバッキングラインの芯を入れるのは、強度の問題というよりもハリを持たせてラインの交換しやすくするため。ループtoループの接続部のこぶは大きくなってしまうが、締まりすぎずに交換が容易になる。まあなくてもよさそうだが。。。

接着剤はコニシのボンドSUを使用。似たようなものにセメダインのスーパーXもあるが、シリコン系のスーパーXよりもウレタン系のボンドSUのほうが密着性がよくてこの用途には向いている気がする。と言ってもこのコーティングに強度は期待できず気休め程度だけど。。。


私の場合、川釣りではモノフィラ系のランニングラインしか使わないので、仕様はいわゆるシングルタイプ。ランニングラインはスイベルに直接結び、シューティングヘッドはループtoループで接続する。

それで早速使ってみたところ、その効果はてきめん!これまで悩んできたのが何だったんだ、っていうくらい効果があった。このスイベル付きのラインでまだサクラマスは釣っていないけど、赤川で釣った2本のニジマスはどちらもスイベル付きの仕掛けを使った。

魚が掛かってやりとりしているときはスイベルのことなんかすっかり忘れていたけど、ガイドへの引っ掛かりもなく今まで通りにランディングできた。これだと相変わらずシューティングヘッド自体は回転しているはずなのでフライも一緒に回転しているんだろうけど、それでもそれなりには釣れているのでそんなに問題はないんだろう。


シューティングヘッドの端に直接スイベルを付ける方法もあるけど、今のところ手持ちのラインが多すぎることもあって独立したパーツにしている。とりあえず当面使いそうなロッド用に量産して次の釣行に備えているところ。あとはでっかいサクラマスを掛けての最終チェックを残すのみ!