2021年11月19日金曜日

タイイングバイスが壊れた!~アンビルAPバイス

 フライ釣り師にとってフライロッドやフライラインと同じくらい重要な道具。

それはタイイングバイス。まあ、フライは自分では巻かずにコマーシャルフライ(市販の完成品フライ)を買って釣っている人もいるとは思うけど、私にとってはなくてはならないもの。

おそらく1年のうち2日に1回、少なく見積もっても3日に1回は使っている、釣り具のなかでも使用頻度は圧倒的に高いとても重要な道具。フライフィッシングの楽しみは実際の釣り以外にキャスティングとフライタイングの3つがあると言われている。

私はフライタイイング自体は面倒なのでそれほど好きではなく、遠征前などで必要に迫られて同じパターンをいくつも巻くのは苦痛でしかないけれど、釣り場や魚に思いをはせながらあれこれ考えつつフライを巻くのはやはり楽しいものだ。

私もご多分に漏れず、この釣りを始めて最初に買ったのはインド製の安物バイス。それでもフライを巻くのに特に不自由は感じなかったけど、ほんの少し経験を積んでくるとロータリー機構が欲しいとか、欲が出てきてもう少しいいものが欲しくなってきた。


それで購入したのが当時確かティムコが販売していたアンビルのAPバイス(エイペックスバイス)というもの。高級品というわけではないけど、アンビルはタイイングシザース(ハサミ)で有名なアメリカのメーカー。

当時はリーズナブルで質の高いバイスとして有名だった。いわゆる水平ロータリー機構ではないけど、ジョーの角度を水平近くにしていればロータリー機能も十分で、ネジの頭がプラスチック製で、案の定程なくひび割れた以外はこれといった不満もなく使い続けてきた。

いつ頃買ったのかはもう覚えてないけど、かれこれ20年くらいは使用しているんじゃないだろうか。ダメになるとするとジョーが摩耗あるいは変形してフックの固定が甘くなるんじゃないかと考えていたけど、今のところそんな気配は全くなし。


手入れもせず毎日使い続けているのでもうサビサビだけど、ジョーの精度は抜群でバイスとしての機能は問題なし。写真ではわかりづらいけど、ジョーに2本の溝が刻まれていてミッジ用の極小フックからサーモン・ソルト用の極太フックまで快適に巻けてきたのだった。

そんなわけでタイイングバイスなんてもう一生購入する必要はないんじゃないかと思っていたのだけど、先日いつものようにタイイングしていると異変が。海釣り用のフライを巻こうとまずはフックのバーブを潰すためジョーに挟んで絞めると、メリッといういやな音。


それと同時にレバーがポロっと取れた。ジョーとレバーを連結する金具が折れたようだ。まさかこんなところが壊れるとは。。。見てみると連結はソリッドの芯ではなく、金属製のチューブを半割りしたような断面が半円形の金具で固定されていた模様。


この金具が折れてしまったのだった。なんで力が掛かるこの部品をこんな構造にしたのだろうか?今になってあらためて調べてみると、やはり品質的に問題があったのかアンビルのバイスはもう販売されてないみたい。あ~あ、どうしよう?

探せば部屋のどこかに最初に買ったインド製バイスはあると思うけど、今巻いている海釣り用フライはダンベルアイを付けるのでロータリー式じゃないと面倒なんだよなあ。と思って壊れた部分をよく見てみると、そんなチューブ状の金具だったおかげで連結部に穴が貫通している。


そこに金属製の棒を突っ込めばとりあえず何とかかるんじゃないか?ということで手持ちで一番太いステンレス製ストリーマーフックのシャンクを折って差し込んでみると、とりあえずは何とかタイングはこなせる状態に復旧した。


ただやはりフックシャンクはしなるので、以前のようにがっちりフックを固定することはできず、フライを巻いているとフックが動いたりしてストレスが溜まる。早いとこ次のバイスを手配せねば。。。ということで改めていろいろ調べてみる。

タイングバイスというと信頼性では圧倒的にダイナキングという感じらしい。ただ一番安いモデルでもうん万円、ちょっと手が出ない。予算は2万円以内くらいに収めたい。やはり水平ロータリー機構はいらなけどシンプルなロータリー機構は欲しい。

そうなると手が出るのは欧米の有名メーカーのエントリーモデルか、新興国製のものか。あるいは、耐久性は不明だけど精度はよさそうな日本製か。とりあえず目についたのはレンゼッティーのアプレンティスバイス。値段も1.6万円ほどと手頃。

ただ有名メーカーとはいえ、他のモデルに比べて安すぎるのが逆に気になる。これは材質とか作り込みとか、何らかの妥協がなされていそうで、結局今回のAPバイスのようにいずれどこかが壊れてしまうのではないかという不安が付きまとう。

これなら最近よく見かける、中国製っぽいやつのほうが安くていいかも。でも中国、ハイテク機器ではすでに日本製を圧倒的に凌駕しているけど、こういう町工場で作っているようなものはちょっと不安。ここは一日の長があるインド製か。

インドは昔イギリスの植民地だっただけに、タイイングツールにかけてはかなりの歴史があるのだ。などと思いを巡らせながら調べてみた結果、性能と価格のバランスがよさそうなティムコのTMCソリッドバイスがよさそうに思えた。実売価格も1.5万円くらいで手頃。

ただよくよく見てみると、ペデスタル方式(台座があるタイプ)でクランプ固定はできそうにない。私は長年座卓がわりのこたつの天板にクランプでバイスを固定して巻いてきているので、今更高さ調整ができないペデスタルバイスは頑として受け入れられない。

台座から取り外して使うことができるかティムコに聞いてみようかなあとも思いつつ、なかなか決めきれないでいる。また10万円貰えそうだし、ここは奮発して一生もののハイエンドモデルを買ってみるか?ただ私がフライを巻けるのも長くてあと30年ほどだろうか。

それなら安いやつを10年とか15年ごとに買い替えれば済むことではないか。今回のAPバイスみたいに20年持てば十分ともいえる。といことで、いくつかの候補には絞り込めてきたけどまだ迷っている。しかしこういう時間が楽しんだよなあ。

  1. レンゼッティー・アプレンティスバイス
  2. TMCソリッドバイス
  3. サンライズ・シルバラードバイス
  4. Riverrunsバイス
  5. キャップス・スープリームバイス
今のところ上記5つが候補。1のアプレンティスバイスは上記の通りなんとなく微妙な感じ。一流メーカーではあるけどこれは中国製かもしれないし。2のソリッドバイスが本命
だったけど、クランプで使えるか問い合わせてみたところ回答が。

それによると台座から取り外すことは可能で、シャフト径も9.5㎜とAPバイスと同じなのでAPバイスのクランプで使えそうだけど、シャフト長が115㎜しかないらしい。これじゃあちょっと厳しいかなあ。。。

3のシルバラードバイスはインドの老舗、サンライズ社のハイエンドモデル。スペアジョーも付属して9千円ほどとなかなか。ただやはり精度や耐久性が気になるところ。4のRiverrunsは中国製っぽいけどアプレンティスとそっくり。アプレンティスを買うならこっちか。

そして5のスープリームバイス、これもたぶんインド製で安さが魅力。耐久性はともかく、機能的には十分そう。これを何個か買い替えていけばよさそうだけど、所有欲が満たされずすぐに他のが欲しくなりそうなのが難点か。ということで、時間の問題ではあるけどもう少し悩んでみることにします。

0 件のコメント:

コメントを投稿