2021年12月12日日曜日

嵐のしまなみ海道から本州に帰還する~北部四国九州自転車旅2021年11月(9日目)

 2021年12月1日(水)、予報通り未明には雨は止んだようではあったものの、そんなのはただの序の口にすぎなかった。

一旦収まったかに見えた風がさらに勢いを増してきたのは午前1時半ごろ。

ここ数日続いた穏やかな天気のせいですっかり油断していたこともあったけど、想像をはるかに超える爆風に見舞われることになったのだった。最初はシュラフにくるまって横になって様子を伺っていたのだけど、途中からとてもそんな余裕はなくなり、胡坐をかいて肩と頭でテントの壁を支えて何とかテントが倒れないように耐えるしかなかった。

そのうちペグがはずれて剛性がなくなり、さらにやばい状況に。必死にテントを押さえながら、テントが壊れないように、あるいはテントが転倒しないようにと祈るばかり。私はそこそこ高い山の稜線で何泊もキャンプしてきたけど、これほど危険を感じたことはこれまでなかったほど。

それでも風は、何とかこのテントを引っぺがして吹き飛ばしてやろとしているとしか思えないような狂暴な力でこれでもかとしつこく襲い掛かってくる。前線が通過しているのだとしたら、そんなに長時間強風は続かないだろうと思っていたけど、ようやく少し風が収まってきたのは4時半ごろのことだった。

これでもうテントが破壊されることはないだろうとは思えたものの、それでもまだ十分に強い風。小用を催してきたのだけど、外に出てしまうと荷物だけではこの風には耐えられそうにない。

どうするべきか悩んだ結果、もう我慢できなくなりとりあえず荷物を全部ザックに詰め込んで素早く外に出た。そしてテントのフレームからクリップでぶら下がっている本体を外してテントを潰す。そこにそばに倒しておいてあった自転車を重しに乗せてようやく小用を足せたのだった。

まだ真っ暗だけどもう片付けてしまうことに。ここは吊り下げ式シングルウォールテントVB-11の良さが十分生かせて速攻で片付け完了。何とかこの嵐を耐えることができたのだった。

まだ暗い中トイレの陰で食パンを詰め込んで朝食にし、明るくなりかけた7時前には身近島を脱出。結局一睡もすることなく出発することになった。どうやら今回の低気圧は爆弾低気圧で、各地で屋根が飛ばされるなど被害も出ていた模様。とりあえず無事で何より。

さて、今日は残りのしまなみ海道を走って本州に再上陸し、三原まで行く予定。当初は途中で釣りをしながらのんびり走るつもりだったけど、相変わらずの強風にそんな気は起らず、早く三原にたどり着いて休みたいと思うばかりだった。


幸い三原で泊まる予定の快活、今なら15時間~24時間の長時間利用は12時間利用と200円ちょっとしかかわらず均一料金で利用できるみたい。ということでとっとと出発。


恐怖の一夜を過ごした身近島野営場を後にする。


伯方島に渡る。


次は大三島。大三島のルートは風裏になっていて走りやすかった。


次の橋、多々羅大橋が見えてきた。


多々羅大橋を渡る。


ここで愛媛県から広島県へ。今回愛媛はほぼ素通りした感じ。またそのうちじっくり走りたい。


多々羅大橋を振り返る。


強烈な西風のこの日、東に向かって走る多々羅大橋から生口島にかけては追い風で快走。


そして生口橋を渡って因島へ。


この辺りまで来るとサイクリングロードというより一般道を走る感じになる。その分走る楽しさも減ってきて、攻略していく満足感を頼りに走ることになる。


そこに向かい風と登り坂が加わると修行要素満点。ただ天気がいいのが救い。景色は抜群にいい。


向島に向かう橋は2階建ての下階。やはりちょと愛媛側よりもグレードが落ちる感は否めない。


今走ってきた因島大橋。


最後の向島はもう尾道にたどり着きたい一心で。


サイクリングのしまなみ最後は渡船で尾道に渡ることになる。私は安い福本渡船を選択。


自転車は70円だった。


待ち時間なし、あっという間に尾道に到着!時刻は11時。は~疲れた。


しまなみはここまでだけど今日は三原まで行く。あと15㎞ほど。思いっきり向かい風の国道2号線を行く。


吹きっさらしの海岸沿いはもう最悪。時おり砂埃が吹き付ける中、必死に漕いでも平地なのに10㎞/hも出ない。この区間が今日、というか今回ここまでで一番きつかった。


快活の看板が見えたときは本当に助かった~という気持ち。


12時過ぎに快活CLUB三原店に到着。


まずはご褒美のソフトクリーム。そしてお待ちかねの昼食に出かける。第一希望の古都というお好み焼き屋が閉まっていたので思案の結果、久保商店というお好み焼き屋に行ってみる。


名前のイメージと違って、まだ結構若そうなマスターが一人でやっている店。


肉玉うどんの大盛り(1.5玉)650円を注文。


ここのはぎゅ~っと小手で押さえて焼くスタイル。香ばしくて非常に美味だった。値段が安いのも高ポイント。ここは当たりだった。


満足したところで予約している明日の新幹線のチケットを受け取り、買い物を済ませて快活に戻る。スマホの電力節約のため後回しにしていた記録作業などをこなし、ようやくゆっくり休んだのだった。。。

この日の走行距離:71.0km