2023年6月14日水曜日

グランドスラム達成の日~2023年山形遠征記3(4日目)

 2023年6月7日(水)、昨夜は雨の予報だったのだが、夜中にポツポツと数滴降った程度で期待外れ。

網戸を付けて開けていた車の窓は閉めるまでもないくらいだった。今朝はどんより曇っているが、赤川は引き続き渇水の厳しい状態が続きそう。この日も5時頃起きて6時頃から釣り開始。まずは本命ポイントへ。

私が見ている黒川橋の観測所は欠測続きで正確な水位はわからないが、昨日よりもさらに減水が進んでいる様子。最早シンキングラインで釣るような状況とは思えず、悩んだ末にシューティングヘッドのティップはタイプ3のまま、ボディーをタイプ1に変更。フライは6番のドロッパーに8番のリードとした。


しかしここは残念ながら反応なし。昨日回ったお気に入りポイントではここ以外可能性が感じられなかったで、今日はそれ以外のポイントを回ってみることに。そうしてやって来た2か所目、一番いいところでリトリーブする手が押さえ込まれた。

ようやく来たか、と思ったけど残念ながらサクラマスの手応えではない。そこそこ重量感はあるので大きなウグイか?寄せてみるとこれはブラウントラウト?いやイワナ!まさか小さめのウェットフライにイワナが掛かるとは思っていなかったのでちょっとびっくり。


サイズは42㎝とそれほどでもないものの、イワナとしては体高のある立派な魚だった。8番のリードフライに来た。赤川の本流イワナをウェットフライで釣ったのは初めて。ということは昨日バラしたのもやっぱりイワナだったのか。続く3か所目は去年まではいい流れだったのだが、様変わりしていて全然ダメ。


4か所目、ここは水が多いときに全く釣れる気はしないものの、ウェーディングできるという理由で何度か入っているポイント。その程度のポイントなのでローウォーターの時期に来ることはなかったのだが、試しに来てみると思いの外いい流れが広がっている。朝イチの本命ポイントよりも可能性を感じるくらい。

しかし期待しながら釣り下るも反応はなく、そろそろ核心部も終わり。次はシンキングラインに替えてもう一流ししようかな、などと考えていると再びリトリーブする手が押さえ込まれた。これは間違いなくサクラマス!最初の絞り込みに耐えてランニングラインを巻き取り、ロッドを寝かせて慎重にファイト。それほどの大物ではなさそうだけどなかなか手強い。


ギュンギュン糸鳴りさせながらも徐々に間合いを詰めて無事ネットイン!よっしゃー久しぶり、2020年以来の赤川サクラマス。アベレージサイズの54cm。さすが赤川だけあって、この時期の魚だけど川に入ってまだそれほど時間が経ってないのかポロポロ鱗が剥がれた。これもリードフライに来た。やっぱりラインとフライの選択は間違っていなかったようだ。


充足感と心地よい疲労感に包まれながらもこの釣果に気を良くして、同じように水が多い時期にしか入ったことがないポイントがもう一ヶ所あったのを思い出した。早速行ってみると、1級ポイントとまではいかないまでも、サクラマスが着いていてもおかしくないようなスポットが2か所ほど目に止まった。


早速釣っていくも1つ目は何もなし。続いて少し下流に移動して2つ目。ここでは僅か数投目にいきなりヒット!動きはサクラマスっぽいが次の瞬間ジャンプ。残念ながらその姿は大物ではなかった。小型のサクラマスか、戻りヤマメか?ビュンビュン走り回る元気な魚だが無事ネットイン!


ピンクっぽく見えたので一瞬ニジマスかとも思ったけどヤマメ。ほんのり紅を纏ったパーマーク付きの31㎝!サクラマスではなかったけど、これはこれで非常にうれしい釣果。年中水温が安定していそうな鬼怒川のような川ならともかく、雪代の長い赤川でこの時期にこんな魚が釣れるとは!


ただこのポイントの核心部はまだこれから。そのまま釣り下っていくと何かがフライにグンッと触れたが構わずそのままリトリーブ。するとゴゴンっと重量感のあるアタリが来たけどフッキングせず。マジか。。。確認してみるとリードフライの針先が僅かに甘くなっている。ここまで根掛かりはしてないけど3匹釣っているのが原因か。

フックを研ぎ直して同じラインを投げてみたけど当然反応なし。ここは夕方もう一度チャレンジだな、と2、3歩下って次のキャストに移るとまさかのヒット!よっしゃー貰った~、と思ったけどジャンプしたその姿はニジマス。一瞬がっかりはしたもののそこはニジマス。さすがのパワーでパーフェクトが久しぶりに唸りを上げた。


釣れたのは43㎝とまずまずのニジマス。これはドロッパーに来た。恐らく最初のバイトはリードフライで、ステップダウンしたところでドロッパーに反応したんじゃないかと推測。サクラマスではなくでちょっとがっかりしたけどここでふと気づいた。朝のイワナからサクラマス、尺ヤマメと続いてこのニジマス。これはグランドスラム達成ではないか!?


以前寒河江川で尺ヤマメとサクラマスを同じ日に釣ったことはあるし、北海道でならニジマスとアメマスとサクラマスを釣ったこともありそう。だけどサクラマスに良型のニジマスとイワナ、さらに尺ヤマメとなるとそうあることではないんじゃないだろうか。それも同じ日に同じ川で釣るとなると。上を見たらきりがないが、どれもどこに出しても恥ずかしくないサイズの魚。

狙ってできるものではないし、たまたまではあるけどこれはこれで非常に貴重な経験となった。たぶんこの先もう二度とこんなことはないだろうな。さて時刻は既にお昼過ぎ。昼食を済ませると、今日はどうせ釣れないだろうし午後からは渓流にでも行こうかと思っていたのだけどさすがにもうお腹いっぱい。午後からは木陰に車を停めての大休止となった。


16時頃から午後の部開始。この日もお昼頃から下流から吹き上げる風が強まって非常に釣りにくい。午後一発目は何もなし。この日最後はしつこく本命ポイントへ。ただウェットフライで攻めるもやはり反応なし。恐らくこのポイントにはサクラマスはいないんだろう。次の増水で新しい魚が入ってくるのを待つしかなさそう。


時刻は17時半。別のポイントに移るには中途半端な時間なので、たまには真面目にイワナを狙ってみようと、サクラマスの実績はないけど本流イワナには抜群に効くストリーマーに替えての2流し目。


狙い通り35㎝のイワナが釣れてくれてこの日は18時過ぎに納竿とした。それにしても濃い一日だった。午前中のグランドスラムにオマケの尺イワナ。まだ4日目だけど、もう随分長いこと山形にいるような気がする。もう十分ではあるけど、願わくば次は鮭川でもう一匹釣って帰りたいところ。