2023年8月29日(火)、大井沢沿い林道脇の駐車スペースで朝を迎えた。
いよいよ朝日連峰の縦走に出発する。2018年に千葉県に引越してから山登りに関しては主に東北地方を攻めているのだが、東北の山と言えば昔から飯豊連峰と朝日連峰に憧れがあった。ただ私の場合い山登りの楽しみの半分は山でのキャンプ。ところが朝日連峰は全山キャンプ禁止。それでこれまで二の足を踏んでいたのだが、キャンプができないからと言って登るのを諦めるのはもったいなさ過ぎる。山小屋(避難小屋)に泊ればいいだけのこと。
考えようによっては幕営道具を持たなくて済むのでより身軽に山歩きを楽しめるというメリットもある。そんなこともあって昨年飯豊を縦走していた時に見えた朝日連峰を眺めながら、今年は朝日連峰を歩こうと決めていたのだった。
随分前に買っていた山と高原地図を眺めながらどういうルートで歩こうかと検討した結果、車で行って以東岳と大朝日岳を縦走するには、大井沢から入って以東岳に登り、大朝日岳から日暮沢に下る2泊3日のコースがいいように思えた。これなら舗装道路歩きを最小限に抑えることができる。
というわけで前日のうちに大井沢の駐車スペースまで移動して車中泊し、この日は5時頃起床。いつものように食パンを朝食に食べたのだが、ここのところの暑さが応えているのか珍しく食が進まず、無理やり押し込んで5:54出発。
駐車場の場所がわからず、私は南俣沢出合いの橋を渡って少し進んだところの林道脇に車を停めたのだが、登山口があると思われる橋の手前、南俣沢右岸側の林道を進むと奥にちゃんと駐車スペースがあった。
6:07登山口。天狗角力取山(てんぐすもうとりやま)というおもしろい名前の山の登山口となっている。今日はここから狐穴小屋まで行って余裕があれば以東岳まで往復する予定。
朝日が降り注ぐ気持ちのいい樹林帯を登っていく。
7:15竜ヶ岳の水場。ここで冷たい水をごくごく飲んで、900mlのフレキシボトルにも汲んでおいた。
朝露に濡れた下草のせいで靴もズボンもびしょびしょ。
やや雲が多いけどいい天気になりそう。あれが以東岳だろうか。
8:23天狗小屋かと思ったらこれは東電の管理小屋だった。
ここからしばらくはなぜか石畳の道が続いた。
程なく樹林帯を抜けて空が開けた。
この時期の山登りはこちらが登って標高を稼ぐのと日が昇って気温が上がるののせめぎ合い。たいていは気温が上がるほうが早いのだが。8時半の時点で標高1350m、気温25℃。
右手に天狗小屋らしきものが見えた。
8:36障子ヶ岳との分岐点。
なだらかな尾根に続く登山道の向こうに主稜線を望む。
8:52標識はないけどたぶん天狗角力取山。ここから出合沢に降りて直接以東岳に登り返すルートもあるが、アップダウンがきつそうだし破線ルートで藪漕ぎもあるとのことなので、予定通り狐穴小屋に続く尾根道を進む。
ここからは気持ちのいい尾根歩きが続くと思っていたのだが甘かった。標高1300m前後でほぼ樹林帯の中、登っては下りのうんざりするような道がダラダラ続いた。
主稜線はだいぶ向こう。まだまだ山越えが続きそう。
10:05そろそろお腹が減ってきたので大休止。朝食の残りの食パンを詰め込む。今回はMountainDaxのPeask28というザックを持ってきた。自分好みに改造しようと去年買ったものだが、気が向かず今のところオリジナルのまま。
なかなか近づかない主稜線。気温が高いからか雲が多い。
何度も登っては再び樹林帯に下る。しかも尾根筋から微妙にずれてトラバース気味に道が付けれられている箇所も多くて歩きにくい。このルートを選んだのは失敗だったか。
ヤバい、正面の寒江山は早くもガスに包まれている!
ようやく主稜線への取り付きの最後の登りに掛かる。
歩いてきた山並み。
狐穴小屋が見えてホッとする。
12:04主稜線に到着。思ったより随分長かったし時間が掛かった。
12:20狐穴小屋。ここは小屋のすぐ横に水が引かれていて冷たい水がじゃんじゃん流れている。思いっきり水を飲んでおく。
午前中のうちに着いたらここに荷物をデポして以東岳まで往復しようと思っていたけどちょっと微妙な時間帯。かと言ってまだ12時半。今日は以東岳まで歩いて以東小屋に泊ることにした。
となるとあまりゆっくり休んでもいられないので12:29出発。
東北らしいたおやかな尾根道。
こちらは歩いてきた狐穴小屋方面の眺め。
13:01中先鋒。
狐穴小屋から以東岳まではアップダウンが少なくて気持ちいい道が続いた。
これが松虫岩だろうか。
そこを越えると肩に小屋がある山が見えてきた。以東岳に違いない。
もう一息!そろそろお腹が減ってきたけどまだ行けそうなので休まず登る。
14:15以東岳登頂。
歩いてきた山並み。
北側にはタキタロウで有名な大鳥池。
そしてすぐ下にある以東小屋。
14:25以東小屋に到着。平成29年だかに建て替えられたまだ新しい避難小屋。1泊2000円。
1階に管理人部屋とトイレがあり、宿泊スペースは2階。ドミトリーのようなマット敷きの2段ベッドが5個くらいある。めちゃめちゃ快適!
釣りキチ三平タキタロウ伝説編も完備!
ただ水場が遠いのが難点。
目測で標高差100mくらい下ったところにあるので水汲みが一苦労。ビールが冷やしてあったけど、350ml缶が800円ではとても手が出ない。
ようやくこの日の任務完了。コーヒーを淹れて休憩する。火器はトランギアにクリックスタンドの組み合わせ。
お気に入りのトレールフード、黒かりんとうと一緒に。あとはラジオを聴きながらのんびり過ごす。
18時過ぎに日没を迎えた。結局この日泊ったのは私と夕暮れ間際に到着したもう1人だけだった。
夕食は今回も米を炊いて田中食品のまぜご飯。塩加減が疲れた体に心地いい。この後味噌汁を飲んで、さらに甘いコーヒーミックスを飲んで20時ごろには就寝。今日は距離や標高差もさることながら途中は暑さが半端なかったけど、稜線上の小屋は涼しくて超快適!
この日の歩行ルート(ヤマケイオンラインを元に作成) |