2024年8月27日火曜日

ギザール渓谷の釣り~インド・パキスタン旅行2024(18日目)

 2024年8月20日(火)、この日はパキスタン北部、ギザール渓谷のガクーチという町で朝を迎えた。

ガクーチは標高2000mくらいにある町で、夜になるとファンがいらないくらいの快適な気候。ホテルには分厚い毛布もあって昨夜は快適に過ごすことができた。


7時頃起きて朝食へ。ホテル向いの茶店は小さい店なので自家製のナンはなさそうだが、店主が近所でナンを買って戻ってくるのが見えた。これはナンが食べられそう、と出掛けてみる。するとまた買いに行ってくれて今日もナンとチャイの朝食、80ルピー。


さて、今日は明け方結構な雨が降った様子だが今は晴れてきている。予定通り昨日来がけに見えた渓流に釣りに行こう。8時過ぎにホテルを出発。まずはここから16kmほどギルギット方面に戻ったシンガル(Singul)というところに行ってみる。


聞き込みの結果、ギルギット方面でも近郊行きは昨日降りたバスターミナルではなく町の東外れから出る模様。無事シンガル行きのバンを見つけたが、出発は客が集まり次第となる。結局9:15の出発となった。


途中昨日はすんなり通れた場所で工事か何かの待ち合わせがあり、1時間ほど掛かって10:10シンガルに到着。ガクーチからシンガルまでは120ルピーだった。早速川に向かう。


地元の人に聞いてみると、釣りならこっちだと案内してくれた。クリアウォーターでいい雰囲気だが、かなり傾斜が急な流れで竿を出せそうなポイントは少ない。


案内してくれた地元のおっさんとお勧めのポイント。本流との合流点上流が見るからに絶好の瀬になっている。


ダウンで釣るのにちょうどいいがポイント。しかし、ウェットフライで攻めてみるも全く反応なし。


本流の泥水との境目を攻めてもダメ。


今度はドライフライで釣り上がってみる。


すると別の人がこれでやってみろ、とバッタを捕まえてきてフライに刺してくれた。そうか、ベイトはバッタなのか。マドラーミノーでも持ってくればよかったが、生憎今回は持ってない。


バーブレスブックなので数投でバッタはなくなってしまったが、それならば、とバッタに見えなくもなさそうなオリーブ色のコーンヘッドリーチをリードに結んだドロッパーシステムでもう一度探り直してみる。4番ラインでも投げられるように軽めに巻いたもの。


すると先ほど探った合流点で遂にヒット!しかしピヨンっとジャンプして痛恨のバラシ。。。まあ20cmもないくらいの小物だったが残念、パキスタンでのファーストフィッシュとはならず。


白っぽく見えたけど、ブラウントラウトの幼魚だろうか、あるいはネイティブの、ヒマラヤントラウトとも呼ばれるホワイトフィッシュ系の魚だったかもしれない。


残念ながらその後は反応がなく、お昼を回ったところで一旦納竿。町ともいえないような小さな集落のシンガルだが、食堂があったので昼食にする。


メニューはビンディー(オクラのカレー)と聞き取れなかった何かに加えて、ビリヤニもあるというのでビリヤニにした。


専門店ではないので多くは期待できないが、パラッと炊けた意外においしいビリヤニだった。想定通りの300ルピーで値段も良心的。


雲が出てきて雨がパラついて来たのでもう帰ろうかとも思ったが、幸いまた日が差してきたので次の川に向かう。次はここから5kmほどガクーチ側に戻ったブブール(Bubur)まで行ってみる。


ギルギット川沿いの1本道を歩く。木陰が多くて歩きやすい。


すると半分ほど歩いたところで、先ほど会って少し言葉を交わした青年が、わざわざバイクで追いかけてきてくれてブブールまで送ってくれたのだった。ありがとうございます!


ひと先ずチャイを飲んで休憩。と思ったらここでもお金はいいと受け取ってくれない。どこまでも親切なパキスタンの人々。


こちらのブブール川(仮称)は先ほどのシンガル川(仮称)よりもひと回り小さい川。ただやはり流れが急でポイントは少ない。


川べりに座っている人にここで釣りしていいかと一声掛けると、またスプライトを一杯ご馳走になって川に降りる。


すぐ傍らにいい感じの淵があるのだが、得てしてこういうところは地元の人が洗濯や水浴びをする生活の場になっているので期待薄。案の定反応なし。


雨が強まってきたので一旦先ほどの柳の下に退避。昨日同様不穏な風も出てきた。この時期この辺りは午後から天気が荒れる模様。言葉は殆ど通じないが、どうやらこの川には魚はおらず、釣りなら本流だと言っているみたい。


しかし本流は見ての通りドロ濁りの濁流。合流点上流の瀬を攻めてみたがやはり反応はなく、この日の釣りは終了とした。


柳の下に戻ると人が増えていて昼食中。もうお腹いっぱいなのだが、少しダルとロティをご馳走になってブブールを後にしたのだった。


橋の袂のバス停に行くと、ガクーチ行きはすぐにやって来た。


空いていて助手席に座れた。フロントガラスには銃弾を撃ち込まれたようなヒビが。落石にでも会ったのだろうか?


すぐにまた晴れてきた。


30分弱走って15時過ぎにガクーチに到着。ブブールからガクーチまでは100ルピーだった。


夕食は昨日の店で再び一人焼肉と決め込む。この日は午後部屋に戻ってからずっと停電が続いていたのだが、この時間になってもまだ停電中。


薄暗い小さな灯りの下での夕食となった。しかし相変わらずここのはうまい。テーブル2つの小さな店だが、隣にナンの工房があるので焼き立てふかふかのナンも味わえる。香ばしい牛肉にナンが進んでこの日も2枚完食。日本円にすると僅か160円、至福の300ルピーとなった。


停電すると、自家発電機がある大きな店以外はほぼ真っ暗になってしまう田舎町のガクーチ。食後のチャイを飲んで帰りたいところだが、真っ暗な中で飲むのも味気ない。


幸い帰ると復旧していたので部屋でコーヒーを飲んで、またしても釣れなかったけど充実したこの一日を締めくくったのだった。