2022年7月3日日曜日

バラシ病は克服できたのか?~2022年山形遠征記3(12日目)

 2022年6月23日(木)、この日は曇りの予報で昨日よりは幾分涼しそう。

いつものように5時過ぎに起床、6時半頃から釣り開始。ようやく釣りごろのローウォーターコンディションとなった寒河江川、この水位なら良くなっているかも、ととあるポイントに向かった。


そこは思ったほど良くはなく何もなし。ただ、そのかなり下流対岸側に良さそうな流れが出来ているのを発見。行ってみるとベストとは言えないまでもなかなかいい感じ。ここは昨シーズンはパッとしなかった印象だけど、今シーズンは可能性を感じる貴重なポイント。

ただ、フライを換えて2流ししたけど反応なし。続いて昨年釣ったポイントへ。ここは流れが変わって先日見たときはイマイチだったものの、昨日の夕方行ってみたところ今の水量だとなかなかいい流れになっていたのだ。去年ほど妖しさはないけど可能性は感じられる。


昨日は何も起こらなかったけどやはり気になるポイントではある。慎重に釣り下って核心部、流芯を外れたところでリトリーブを入れてみたけど反応なし。やはりダメか、とライン回収のリトリーブに移ろうとしたところガツンっというアタリ。

ただまたしても乗らず。タイミングが合わなかったと言えばそれまでだけど、ここまでの流れを考えると何とも居たたまれない。サクラマスだったのだろうか?手を変え品を変え、フライを換え、ラインを換えてもう2流ししてみたけどそれ以降は反応なし。

予定では今日の午前中で寒河江川から移動するつもりだった。当面纏まった雨は降りそうになく、状態が変わらない中でこれ以上粘ってもらちが明かない。ということで既に土曜には仕事の予約を入れてしまっていて、明日金曜には帰路に就く。

ただ、ここにきてのあのアタリ、このまま帰る訳にはいかず、今日の午後と明日の朝、最後まで諦めず粘ってみることにした。午前中もう一ヶ所やって11時過ぎに一旦上がり、昼食休憩。


午後からは予定を変更して寒河江市市民浴場へ。


ちょうどその頃雨がザーっと降ったみたいだけどすぐに止んで今度はカラッと晴れ渡る。


晴れて急激に気温が上がる中木陰でしばし休憩した後、16時頃から夕方の部開始。まずは車を走らせていて見つけた良さげなポイント。しかしここは空振り。そして午前中アタリのあった本命ポイントへ。


どう攻めるべきか迷ったけど、フライはこの時期一番信頼している8番のセット。ラインは午前中のインタミボディーにタイプ3のティップから、ティップだけタイプ6に変更してみた。タイプ3もタイプ6もそれほど違いがあるとは思えないけど、ここ数年はタイプ6でいい思いをしている。

ほぼ験担ぎみたいなものか。そうして釣り下っていくと、朝アタリがあったところよりも少し上流で再びアタリが。今度こそ乗った!しかし、、、残念ながら重量感はない。

寄せてみると20cm台後半サイズのヤマメ。ただ、ネットを出すべきかどうか悩んでいるとまたまたポローン。またしてもやってしまったのだった。ただ今回は魚の姿を確認できた。縁起は悪いけどそれほど悔しさはない。

その後さらに釣り下っていってみたけど反応なし。朝の魚はさっきのヤマメだったのだろうか?何とも言えないけど多分そうだろうな。やっぱ今シーズンはダメそう。とりあえずこの日最後は朝方見つけたポイントへ。

悪くはない流れではあるけど期待せずに釣り下っていく。するとしばらく下ったところでドスンという手応え。これも乗った!この感触は間違いなくサクラマス。再びバラシ病が頭をよぎるが、いつも通りやるしかない。

魚を水面に出さないように竿を倒して最初の絞り込みをかわし、プレッシャーを掛けつつテンションが抜けないように急いでラインを巻き取る。その後魚はそれほど抵抗を見せず寄ってきた。ここは魚に本気を出させる前に勝負。ランディングネットを広げて差し出すと、、、


一発で決まった!ようやくやった。サクラマスがネットインしたときのこの安堵感。これに勝る感覚などそうないだろう。いや~、今シーズンは本当に苦労したけどようやく全てが報われた瞬間。


記念すべき通算40本目は婚姻色が出たアベレージサイズの56cm。ドロッパーに結んだ8番のウェットフライが口の角にガッチリ刺さっていた。勝負が早かっただけに魚はまだ元気満々で、写真撮影もそこそこに、リリース動画を撮る間もなく一目散にに流れに戻っていった。

それにしても嬉しい一匹。特に今年は遡上量が少ないようで、サクラマスとの出会いも極端に少なかった。温暖化や異常な大雨で年々厳しくなっているような気がするこの釣り、今年も無事顔を見ることができた。この魚にも何とか子孫を繋いでほしいと願うばかり。


一応ポイントの残りを釣って18時半頃納竿。車に戻ると無性にお酒を呑みたくなって買いに走った。ラフロイグあたりを飲みたい気分だけどここはチューハイで我慢しておく。最後の最後で懸案のバラシ病克服。久々の祝杯をあげつつ充実の車中泊となったのだった。

それにしても、何という幸運だろうか。結局バラしたけど、午前中のアタリがなかったら諦めて既に移動していたはず。捨てる神あれば拾う神ありというやつか、あのヤマメが釣らせてくれたと言えるかもしれない。

それに天気予報が外れたおかげで寒河江川の減水が進み、ちょうどいいタイミングで釣りごろの水位になってくれた。今シーズンは川とリズムが噛み合わず、バラしたり掛け損ねたりばかりだったけど、最後の最後で報われて悪くないシーズンとなったのだった。