先日のインド旅行では、現地通貨はいつものクレジットカードキャッシングに加えてデビットカードでの引き出しも試してみました。
というのも、結局は行かなかったものの当初はネット環境に不安があるラダックに行く予定で、クレジットカードでキャッシングした場合繰り上げ返済ができない可能性があったため。海外で現地通貨を引き出せるデビットカードはすでにいくつか持ってはいたのだけど、今回はレートがよくて手数料も安いと評判で以前から気になっていたWiseのデビットカードを作って持っていくことにしました。
Wiseというのはアカウントにお金を入れておけば世界中で送金、両替、支払いなどができる国際的な電子マネーみたいなもの(というとちょっと違うかもしれないが)。国際的にビジネスを展開しているような人にはとても便利そうなサービス。
まあ私の場合ただの旅行者なので専らデビットカードをクレジットカード代わりに使うくらいしかなさそうだけど。それでもデビットカードとしては為替レートがよくて手数料も安いとの噂。
なのででわざわざ1200円払ってWiseのデビットカードを作ってみたのでした(アカウント開設は無料だけどデビットカード作成は1200円掛かる)。それでも1か月あたり2回まで、3万円までは手数料無料で引き出せるとのことですぐに元が取れるんじゃないかと期待。
ということでデリーに着いた2023年7月13日(木)に早速試してみることに。この時はメインバザール近くのHDFC銀行のATMで、セディナカードでのキャッシングとWiseデビットカードでの引き出しを同時にやって比較してみることにしました。
クレジットカードで1万ルピーキャッシング、デビットカードでは5千ルピー引き出してみました。その結果は、、、Wiseのデビットカードはすぐにアプリに通知が来て引き落とされました。
しかし、、、5000ルピー引き出したはずなのに実際は5200ルピー引き落とされている!どうやらATMの手数料が200ルピー掛かった模様。通常ATMを操作しているとき、手数料が○○掛かる、という表示が出るものなのだけどHDFC銀行の場合はそんなのなしで速攻引き落とされてしまったのでした。
クレジットカードキャッシングの場合は基本的にこのATM側の手数料は取られないので今まで気にしていなかったのだけど、デビットカードの場合は手数料も考慮した上で考えないといけないのだった。この時のレートは5200ルピーで8831円、1ルピー=1.698円でした。
さて、セディナカードの場合通常中2日くらいで明細が反映されて繰り上げ返済できるようになる。で、7月16日(月)にHPを確認してみると、10000ルピーが17160円に金利が33円掛かって17193円。為替レートは1ルピー=1.716円という結果でした。ということで、
- セディナカードのキャッシング:1ルピー=1.716円
- Wiseデビットカードでの引き出し:1ルピー=1.698円
- 差額:1ルピーあたり0.018円(約1%)
という結果になりました。ちなみにカードブランドはどちらもマスター。マスターのセディナカードはクレジットカードの中では比較的レートがいいと言われているけど、Wiseのデビットカードはそれよりも1%いいレートで引き出しができました。
ただ実際にはWiseでは200ルピーも余計に払っているのでキャッシングで多少金利が掛かったとしてもクレジットカードキャッシングの圧勝、という結果。金利、手数料込みで計算してみると、
- セディナカードのキャッシング:1ルピー=1.719円(3日分の金利込み)
- Wiseのデビットカード引き出し:1ルピー=1.766円(ATM手数料込み)
- 差額:1ルピーあたり0.047円(約2.7%)
となるとWiseのデビットカードは使えないかというとそうでもなさそう。クレジットカードキャッシングはやはり借金なのでそれ自体あまり気持ちのいいものではないし、返済し終えるまでは何となく落ち着かない気分が付きまとう。
それに対してデビットカードの場合は即座に引き落とされるので気分が楽。今回は初めてなので少額の5千ルピーにしてみたけど、月3万円までWise側の手数料無料というのを考えると、できるだけ1度にまとめて引き出せばATM手数料の負担は小さくなるはず。
例えば今回の例でWiseのデビットカードで1万5千ルピー引き出したと仮定すると、
- (15000+200)×1.698=25810円(1ルピー=1.721円)
となり、金利込みのキャッシングレートとほぼ同等になる。ネット環境に不安があってすぐに繰り上げ返済できそうにない場合はクレジットカードキャッシングよりも有利になることもありそう。
さらに国や銀行、ATMによってはATM手数料が掛からない場合もあるので、その場合はクレジットカードキャッシングよりも確実に有利になる。通常タイだと220バーツ、インドだと200ルピー掛かるようだが、手数料無料のATMならWiseを使ったほうがいいのは間違いない。
その辺りはネットには断片的な情報しかないので、それを当てにするか実際に自分で確かめてみるしかない。あと、Wiseのいいところはあらかじめ円を主要通貨に両替できる点。円高の時にアカウント内で日本円を米ドルに両替しておけば、円安に振れてもお得に旅行できそう。
実は今回もそのつもりだったのだが、この時はもっと円高に振れるだろうと予想していたのがハズレてすぐに反転。ちょうどそれまで144円くらいだったのが138円くらいまで円高が進んだタイミングだったのに、タイミングを逃して結局146円くらいになってしまったのでした。
実際にアカウント内に日本円と他の通貨があった場合、ATMで現地通貨を引き落としたらどうなるのか、いずれ試してみたと思う。こちらでどの通貨を使うか選べるんだろうか?それとWiseのデビットカードは当然クレジットカード代わりに買い物にも使用できる。
クレジットカードだと1%くらいのポイントが付くけど、Wiseはそういうサービスがないので為替レート、手数料、ポイント還元を考慮する必要があるけど、上記のようにあらかじめ割安にドル転できていたりすればWiseのほうが有利なタイミングもあるかもしれない。
ただ今回のインド旅行では鉄道のチケットはほとんどネットで予約してクレジットカードで支払っていたので、一度Wiseで払ってみようとしたところ決済にSMSでの認証が必要で使えなかった。
インドでは日本のSIMでもローミング電波をキャッチしてSMSを受信できることもあるけど、州や場所によってできたりできなかったりなので、決済にいちいちSMS認証が必要なのはちょっと微妙(タイでAISのアカウントへのチャージはWiseデビットでできた)。
ただそれも、先日Wiseもアプリで認証できるようになったとかいうメッセージが来ていたので、今はネットに繋がってさえいれば世界中どこでも決済できるようになったのかもしれない。
ということでWiseのデビットカード、諸手を挙げて大歓迎というわけにはいかないけど、1200円払ってでも持っておいて損はなさそうというのが感想。本命はドル転しておいて使うというもの。今度円高に振れたタイミングでドル転しておきたいところです。