2024年8月20日火曜日

パキスタン北部の中心地ギルギット~インド・パキスタン旅行2024(11日目)

 2024年8月13日(火)、この日はラワルピンディからギルギットに向かう夜行バスの中で朝を迎えた。

案の定全く眠ることはできなかったが、2席使えたおかげで体勢を変えながらわりと楽に過ごすことができた。途中日が沈んで標高が上がるにつれて寒くなってきたものの、長袖シャツを着て、さらにウィンドシャツを着込めば余裕だった。体調に問題なし。夜行バスでもエアコンなしなら大丈夫みたい。


5時頃、少しずつ明るくなりはじめた頃バスはKP州(ハイバル・パフトゥンハー)とギルギット・バルティスタンの境になっている標高4000m超のバブサール峠を越えていつ終わるともしれないようなつづれ織りの道を下り始めた。やがて谷筋に集落の灯りが見えてくる。そうするとまた一気に気温が上がってきた。


着ていた服を脱いでいってTシャツに戻る。6時過ぎにNH35に合流。インダス川沿いのカラコルムハイウェイに出た。


ヒマラヤ、カラコルム、ヒンドゥークシュ、三つの大山脈から流れ出る雪解け水を一手に集め、雄大に、というよりは豪快に流れるインダス川。


この時期には灰褐色の濁流と化していた。カラコルムハイウェイはその縁になっている崖をけがくように造られている。路面状況は思いの外良好。


ちょうど8時にジャグロット(Jaglot)というところで朝食休憩となった。パキスタンの朝食はやはりパラタが定番のようで、周りは殆どの人がパラタを食べている。幸い体調に問題はなさそうだが、既にパラタ恐怖症の私。


そんな中ロティを焼いているが目に留まった。これ幸いにとロティとチャナのハーフプレートを頼んだ。やっぱり塩気が効いた油っけのないタンドーリロティは美味。ただ、これだけで250ルピーも取られた。別にボッタクっているわけではないと思うけど、やはり納得いかない気分に。


これを避けるには移動時の食べ物は事前に準備しておくしかなさそう。途中見えた冠雪しているピークはビルチャール・ソバニという山だろうか。


バスはカラコルムハイウェイに入ってからは快調に進み、9:30ギルギットのバスターミナルに到着。ここから市街地までは結構離れているのでスズキと呼ばれる乗り物で行く。


その名の通りスズキの軽トラの荷台に屋根とベンチを付けた、タイのソンテウのような乗り物。どうやら乗客が5人集まったら出発するらしい。10分ほど待たされてから出発。


10:10ギルギットのバザール近くに到着。バスターミナルからは70ルピーだった。岩山に抱かれたギルギットの町。標高1500mあるらしいけど、あれっ、何だが暑いぞ?


それはともかく宿探しにかかる。目に付いた最初の2軒は外国人不可のようで断られた。嫌な予感が漂ってきたが、幸い3軒目のNew Green Hotelは泊まれそう。


しかもバス・トイレ付きの小ぎれいなツインが1500ルピー。全然予算内なのだが、一応もう少し安い部屋はないか聞いてみたところ1200ルピーにしてくれた!wifiもあって最高の部類。


ただ後でわかったが、2階建ての2階でさらに天井が薄いのか、日差しが強いと昼間はめちゃくちゃ暑いのが難点。しかもギルギットは停電が多いようで、早速停電に見舞われた。そうなるとファンも止まって暑くて居られなくなり、仕方なくまだ早いけど昼食がてら町の散策に出掛けることに。


ギルギットはパキスタン北部最大の町だと思うけど、かなり小ぢんまりとした町だった。


バザールはブロック状の建物に入っていて整然としている。


岩山に囲まれた町の景色は以前訪れたインドのスピティ渓谷を思い起こさせる。


ただ、そこに現れるのはチベット仏教寺院ではなくモスクなのがやはりパキスタン。これはモティ・モスク。


その先に見えてきたのは、


ジャマー・マスジット。履いていたのが7部丈のズボンだったので中の見学は遠慮した。


のどが渇いたのでチャイ休憩。


ここは露店ではなく店舗があるけど50ルピーだった。さて、昼食はマーケット入口三差路の店に入ってみた。いろいろ見せてくれた中でチキンカライを注文。カライとは、水を使わず野菜の水分だけで炒め煮したカレーらしい。


パキスタンの食堂は、作り置きしたおかずを鉄か銅か何かの容器(カライ鍋)に移して加熱して、熱々で出してくれるところが多い。ここのはトマトの風味が濃厚でうまかった。フルプレートで430ルピーのところ、400ルピーにまけてくれた。私の1食分としては肉が多すぎだったので、ハーフでよかったかも。


それにしてもギルギットは暑すぎる。平地のラホールやラワルピンディ比べるとカラッとはしているものの、気温は恐らく35℃を超えていてこっちのほうが高そう。しかも標高が高いためか日差しがあり得ないくらい強烈。涼しさを求めて北上してきたというのにこれは誤算だった。


水浴びと洗濯を済ませ、16時過ぎに再び外出。まずは北部用のSIMカードを調達する。先日購入したZong、ここギルギットでは遅いながらも辛うじて使えてはいるものの、これから向かう予定のフンザなどでは使えないらしい。そこで北部に強いというSCOのSIMを買う。


アクティベートに最長24時間かかるらしいけど、カード自体はすぐに買えた。15日間10GB+夜間用5GBというよくわからないプランがカードと合わせて900ルピーだった。その後は町の北側を流れるギルギット川を見に行ってみる。


ギルギット川はインダス川の支流だけど本流と同じようにドロ濁りの濁流。この感じだと釣りは枝沢くらいまで行かないと無理っぽい。


橋を渡ったところに繁盛している屋台が。かき氷みたい。堪らず私も注文。


大きな氷をカンナで削っているところ。それにバジルシードを振りかけて、ローズシロップをこれでもかって言うくらいぶっ掛けてくれた。


普通の旅行者は、こういうよくわからない氷を使っている食べ物なんて絶対食べないと思うけど、私はパキスタンとの距離感を掴むため敢えてノーガードで挑む。今のところボッコボコにやられてはいるが。。。それはともかくやっぱり冷たくて最高。これがたったの50ルピー!


ラワルピンディではモモが私的大ヒットだったのでここでもモモが食べたかったのだが、なぜか見当たらない。売っているのはマンゴー、リンゴ、バナナ、スイカにビワなど。そんな中でブドウがおいしそうに見えたので買ってみた。1kg200ルピーと安くて500g購入。


これはさっきの橋の少し上流に架かる吊り橋。歩行者とバイク用。


渡ったところはちょっとした市場のようになっていた。


明日の独立記念日に向けて盛り上がっている夕方のギルギット。夕食は悩んだ末、昼間入った店で気になっていたチキンプラオを食べてみることに。プラオはビリヤニよりもスパイスの量も種類も少なめにシンプルに仕上げた炊き込みご飯。


うまかったけど、味わい深さではビリヤニには劣るかな。値段は300ルピーとリーズナブルだった。先ほど購入したSCOのSIMは夜9時半頃無事開通。さて、避暑のつもりでやって来たギルギット、少しのんびりしようと思っていたのにこれじゃあ無理っぽい。もっと高いところに行くしかないか?!