2024年8月14日(水)、この日はパキスタン北部のギルギットで朝を迎えた。
涼しさを求めてやって来た標高1500mのギルギット、想定外の暑さに悩まされることに。日中建物が十分な熱を蓄えているのか夜になっても部屋の中は気温が下がらず蒸し風呂状態。おまけに停電が多く、昨夜も寝ようとしたところすかさず停電。ファンが止まって息苦しいほどの暑さの中、ひたすら電気が来るのを待つしかなかった。ただ幸いそれ以降停電は起こらず何とか朝まで過ごすことができたのだった。朝になるとようやく少しは涼しくなってくれた。6時頃起床。7時過ぎに朝食に出掛ける。今日もよく晴れて暑くなりそう。
今日は独立記念日で祝日なのか、閑散としている朝のギルギット。ホテルの周りをぶらついてみるも、やはりこの時間食べられそうなのはパラタのみ。それは避けたいので朝食はチャイだけにしておく。
ここは座敷席中心でいい雰囲気の店だった。50ルピー。さて暑すぎるギルギットだが、せっかく来たのでもう1泊して釣りに行ってみることに。
準備編で紹介した「ヒマラヤを釣る」にここから6kmほど先にあるカルガ川での釣りが紹介されていたのだ。近くに断崖仏という観光スポットもあり、歩いていけそうなのでフライロッドを持って出掛けてみる。
8時過ぎに出発。マーケットを抜けて西に進んでいく。
市街地を離れるとかつて一度は舗装されていたんだろうけど、今は崩れてデコボコの道になった。
やがてきれいな舗装道路に合流。
向こうからヤギの群れがやって来た。
こちらはヤギを散歩させる少年。
すると半分くらいまで進んだ頃、たぶん「ブッダ見に行くんだろう、乗ってくか?」とか言ってトラクターに乗せてくれた!
途中から結構な上り坂になったが、おかげで9時過ぎに目的地のバシーン(Baseen)に到着。
おじさんありがとう!と言ってもたぶん私より年下、私のほうがおじさんだろうけど。
ここを左に行くと断崖仏があるらしい。あまり興味はないけどせっかくなので先にそっちを見に行ってみる。
道路脇には流れが急すぎるけど、クリアウォーターでいい感じの渓流が流れていて期待感が高まる。
しばらく進むと正面に、写真では分かりにくいけど壁面に仏像が掘られた岩山が現れた。すぐ下まで行けそう。
すると渓流で泳いでいた子供らが慌てて上がって、入場料1000ルピーだとびしょ濡れのチケットの束を持って駆け寄ってきた。まあ正式なものではなく地元民の小遣い稼ぎだろう。大した額ではないけれど、どう考えても高すぎるし、元々興味はないので引き返して本命の釣りに向かう。少年はつまらなそうに濡れたチケットを1枚1枚破り捨てていた。。。
近くで作業している人に聞いてみると、釣りならあっちだ、とこの渓流が少し下流で流れ込む本流(カルガ川)の方を指さした。こっちの方が釣りやすそうだが、禁漁というわけでもないだろうけどまあ仕方ない。
怒涛の如く流れ下るカルガ川。とりあえず竿を出せそうなポイントがあったので降りてみる。インドだとマス釣りにはライセンスが必要だが、パキスタンでのレギュレーションは不明。
海外旅行用に持ち歩いているアクアビットのオールインワンテレスティックというフライロッド。グリップの中に収まるテレスコピックロッドで、移動途中の破損の心配がないので重宝している。
7フィート5インチの4番。水が多いのでウェットフライで探ってみることに。
しかし残念ながら全く反応なし。しばらく釣り上がってみたけど、ここ以外はほぼ全面ホワイトウォーターでほとんど竿を出せる場所も見つからない。魚がいないのか、時期が悪いのか、いずれにしてももう少し水が少ない時期じゃないと無理だろう。
1時間くらい粘ってみたけど諦めて納竿。お腹も減ってきたし、帰りは幹線道路まで下ってバスで戻ろうと歩き始めた。
祝日の遠足か何かだろうか。ピックアップトラックの荷台にすし詰めだった子供たちが駆け寄ってきた。
子供たちに囲まれてみんなから握手を求められる。外国人に群がってくる子供なんて、今やアジアでもパキスタンくらいか?
別の車でお出掛け?の男女混成チームはおとなしめ。
すると今度はバイクの青年に声を掛けられて乗せてもらえることに。麓の集落までで十分だったのだが、あっという間にギルギットのマーケットまで送ってくれたのだった。ここが彼が勤めるモバイルショップ。ちょうど通勤途中だったみたい。
しかもちょうどのどが渇いていたところ、ジュースまでご馳走してくれた!パキスタン、とりわけこの辺りの人は親切な人が多い気がする。ありがとうございました!
戻ってくるとまだ11時半だが、朝食を抜いてお腹がペコペコなので昼食にする。ケバブ(串焼き)屋に入ってみた。
串焼きもうまそうだが、シャミケバブと呼ばれるハンバーグを食べてみることに。鉄板で焼くというよりも油にくぐらせて揚げる感じ。
と言っても全然油っこくはなく、酸味が効いたチャツネを付けると非常に美味。ここは自家製ロティがなく、買い置き?でロティが冷めていたのがマイナスポイント。ただこれで150ルピー(80円)は安すぎる!
帰りに食後のチャイ。ここの主人の従兄弟は日本で車の輸出業をやっているんだとか。たぶん千葉か埼玉あたりにいるんだろう。だからというわけでもないだろうけど、代金を受け取ってもらえずまたご馳走になってしまったのだった。
部屋に戻って水浴びと洗濯を済ませると、午後は暑すぎて出歩く気にならず。だからと言って部屋の中も暑いので、近くのアイスクリーム屋さんへ。
たぶんいくつか種類があって、何にするか聞いているんだろうけど適当に頷いているとこれが出てきた。
バナナフレーバー、チョコがけ。めちゃめちゃうまかった。ただこれも代金を受け取ってもらえずまた奢り。何だが申し訳ないくらい親切なパキスタン人であった。。。せめて少しでも長く旅して、僅かながらでもパキスタンにお金を落として帰ろうと思う。
19時過ぎに夕食へ。朝チャイを飲んだ店にしようかと思ったけど、その数軒隣に鄙びた小ぢんまりとしたお店を発見。その雰囲気惹かれて入ってみた。爺さんと従業員1人でやっているようなお店。
たぶんメニューは1品のみで、何も言わなくてもこれが出てきた。全く言葉が通じない中何か聞き出せたのはゴーシュトとかマトンというワード。いずれにせよマトン煮込みということだろう。これも濃厚な味わいで絶品だった。納得の450ルピー。
と言うかインドルピー換算だと150ルピーもしないので激安と言っていい。インドだったら250ルピーは下らないだろう。
改めて朝の店で食後のチャイ(50ルピー)。
そしてデザートは昨日買ったブドウの残り。日本のブドウに比べると甘みは少ないけど、さっぱりしていて結構うまい。子供の頃よく食べた、赤紫色の小粒のブドウ(何ていう種類だっけ?)を思い出す。残念ながら釣りは不発だったけど、体調も戻ったし非常に充実の一日となった。