2024年8月30日金曜日

バスに乗り遅れてファンダール3日目~インド・パキスタン旅行2024(21日目)

 2024年8月23日(金)、この日もパキスタン北部ギザール地方のファンダールに滞在中。

辺鄙な場所だけに停電が多いファンダール、昨日はずっと停電続きで、夜の自家発電時に何とかスマホのバッテリーを70%まで持ってくることができたものの、結局その後も一度も通電することなく朝を迎えたのだった。


この日も6時半頃起床、7時過ぎに朝食に出掛けた。昨日と同じ店でパラタとチャイの朝食、100ルピー。


さて、パキスタン滞在もそろそろ終盤戦。ここからのルート、プランとしてはさらに西に進んでシャンドール峠を越え、チトラール経由でペシャワールに向かうルートを考えていた。


チトラール近郊にはカラーシャと呼ばれる非イスラム教徒の集落があり、女性は独特の民族衣装を纏っているとのことで惹かれるものはある。ただ最近の私の興味は町歩きと食べ歩き。自然豊かな辺境地もいいけどやっぱり賑やかな町に惹かれる。


そんなわけで迷った末、今回はギルギット方面に引き返すルートを選択。今日はガクーチまで戻ることにした。聞いたところによるとガクーチ行きのバスは10時から11時のあいだに通過するとのこと。


まだ少し時間があるので最後にもうひと足掻きしようとフライロッドを持って出掛けた。ここは泊まっているSada Bahar Hotelの裏手に当たる場所。先ほど散歩がてら見に来たところ、何とライズを発見したのだ。ワンドの向こう側先端の藪の前がそのライズスポット。


ということで再び来てみるとまたライズ。目立ったハッチは確認できないが、ユスリカでも食べているんだろうか?と言ってもせいぜい15cmくらいの魚だが。とりあえず16番の黒いドライフライで狙ってみたが反応なし。別の魚が一度フライを見にきたけどUターン。


ライズフォームから水面下で食っている雰囲気なのでトレーラーにフェザントテイルを結んでみたけどダメ。時間切れとなり、ホテルに戻って荷物をまとめ、10時にチェックアウト。気になる支払いは4200ルピー。トラウトフライ1食が600ルピーだったということか。


ところがメインストリートに出てみると、バスは既に行ってしまったとのこと。マジか、まだ10:03だぞ。昨夜は雨が降らなかったようなので、道がよくてスムーズに進みすぎたんだろうか?念のためChief Hotelでチャイ(50ルピー)を飲みつつ11時過ぎまで待ってみたが、やはり行ってしまったようだ。


仕方なく聞き込みしながら次善の策を練る。当初の予定通りチトラールに進むことも考えたが、今日の便は既に出発済み。その手前のマスツージまでならジープがあるらしいが、2000ルピーと高すぎる。今日の移動はもう無理みたいだ。


さらに聞き込んでいくと、ギルギットまで行くハイエース(ミニバス)が朝5時頃出るという。仕方ない、今日はここでもう1泊して、明日一気にギルギットまで戻ろう。ということでSada Baharに戻った。ファンダールはとてもいいところだが、電気は来ないしネットもほとんど繋がらないし、何より食べるところがないんだよなあ。


夕食はホテルになるのは仕方ないとしても、昨日入ったレストランもコスパがいまいち。一通りぶらついて見つけたもう一軒に入ってみると、やはりパラタしかないという。ただ卵があるというのでこの日の昼食はパラタとオムレツにした。


Discover Pakistanというお店。パラタはパラタというより油まみれのチャパティという感じでもう一つだったが、オムレツはトマトとパクチーが入っておりなかなかだった。


ただこれに如何にもどんぶり勘定の300ルピーとか言ってきたので200ルピーに値切った。平地ならせいぜい150ルピーだと思うけど。ここは道を挟んで向かい側にホテルもあり、コテージタイプの部屋が2000ルピーとのこと。


敷地内にギルギット川の分流があり、感じのいい橋が架かっている。


コテージの前で牛の番をするおばさん。主人のお母さんだろうか。さて、ファンダールにもう1泊することになったが、遠出するには時間がない。やる事といえばやはり釣り。この日昼過ぎに一度雲が掛かって不穏な強風が吹いたが、その後は持ち直している。


まずは例のバックスペースが取れるポイントに向かった。しかしいろいろ試してみたものの反応なし。


最後は朝のライズポイントへ。この時間ライズは見られなかったが何となく魚の付き場はわかった。ユスリカっぽいドライフライやピューパにフェザントテイル、さらにオイカワ狙いに巻いた、私としては最小クラスの18番のドライフライも投入してみたけどダメ。


最後にダメ元で、12番のドライフライをインジケーター代わりに、フライボックスに一つだけ入っていたビーズヘッドニンフをトレーラーに結んでみる。すると数投目、ツーっとドライフライが横に走った。遂にヒット!


ようやく釣り上げたパキスタニトラウト(ただのブラウントラウトだが)、18cm!それにしても、この魚を釣り上げるまで一体どれほど苦労したことか。場所は初日にギリー犬が案内してくれたところ。やはり優秀なギリーだったようだ。そしてヒットフライは16番のビーズヘッドニンフ。


ここまで同じようにトレーラーでノーウェイトのフェザントテイルやミッジピューパを試したけどダメだったのは、沈み方が足りなかったのかもしれない。その後同じやり方でもう2匹掛かったがいずれもバラシ。たぶん魚が小さすぎたんだろう。


しかしこれでバスに乗り遅れた甲斐があったというもの。ようやく溜飲を下げることができ、スッキリした気分でホテルに戻った。戻ってみると久しぶり電気が来ていて一安心。明日まで持ってくれればいいのだが。


今日はバケツにお湯をもらってお湯浴びと洗濯をこなし、夕食は3日連続トラウトもあれなのでダルマーシュをお願いした。北インドのターリに付くスープのようなダルと違って、汁けのない濃厚なダルだった。鉄板で焼いた油っけのないチャパティによく合う。


ただ、こってりとしてうまいんだけど、肉食系パキスタンでの夕食としては物足りなく感じるのは贅沢というものだろうか。後ほど精算したところ、ダルマーシュは400ルピー。幸い今日は電気があるのでコーヒーを淹れ、まだ残っているレーズンを少し摘んでファンダール最後の夜を締めくくった。