6時頃、明るくなってきたところで起き出してようやく準備にかかる。朝食は6枚切り食パン3枚とミルクティー。前回の谷川岳に登った時に思ったが、食パンは非常に腹持ちがよく、3枚食べると3、4時間快調に歩くことができる。会社員時代、山に登るときは大抵夜家を出て、途中のコンビニで朝食用の菓子パンと昼食用のおにぎりを購入して登っていたけど、菓子パンよりも明らかに調子よく歩けるような気がする(今のほうが十分に睡眠をとっているからかもしれないけど)。それで今回は残りの3枚も行動食として持っていくことにした。天気は曇り。6:45出発、丸森尾根を登り始めた。雲が多いけど、少し青空も見える。
厚い雲の隙間から青空が覗いた |
丸森尾根は尾根を直登する急登が続くが、食パンパワーで快調に登っていく。9:17丸森峰に到着。ここまでくると一気に視界が開けた。思ったよりもいい天気で、思わずやったーと声が出てしまう。
森林限界を超えると悪くない天気だった |
飯豊本山方面は曇に覆われているけど、これから向かう予定の朳差岳(えぶりさし岳)方面は見事に晴れている。
朳差岳方面の稜線は晴れていた |
テンションが上がってさらにペースが速まり、主稜線との合流点、地神北峰に9:50到着。しかしここで異変に気付く。靴のソールのスパイク部分がなくなっているではないか!右はかろうじて前半分残っているが、左は完全に剥がれてツルツルになっている。
スパイク部分が完全に剥がれてなくなった左側 |
かろうじて前半分が残っている右側 |
嫌な予感はあった。この靴、今回初めて履いたけど、何年前か思い出せないほど以前に購入して保管しておいたもの。同じ靴を買って履いてみたとき、すごくフィット感がよかったのですぐに予備としてもう一足購入したのだった。Hi-Tecというメーカーの靴だけど、ビブラムソールにE-Ventという防水透湿素材のブーティーが入った高性能のトレランシューズ。
前のはまだ履けそうだったけど、大分傷みがひどくなっていたので春に引越した際処分した、お気に入りの靴だった。出発前、箱を開けたとき2006年モデルだと書いてあったのでちょっとやばいかなとも思ったが、すぐにバラバラになるようなことはないと思っていた。それがこんなにも簡単に剥がれていくとは。。。幸いなことに、今回はソール自体は一応しっかりくっついていて、滑り止めのスパイク部分だけが剥がれている。
とりあえず今日は予定通り朳差岳(えぶりさし岳)まで行って様子を見ようかと思い出発したが、やはりこんな状態で歩き続けることはできない。いつソール自体が剥がれてくるか分からないし、もし雨が降ってぬかるむと非常に危険だ。そう思うとすぐに下山したほうがいいと判断した。ただ、今登ってきた丸森尾根は非常に急な道が続くため、本山方面に少し進んだ梶川尾根を下ることにした。
飯豊本山方面の稜線の眺め。上部は曇に覆われていた |
10:40梶川尾根の出会い、扇ノ地紙に到着。ここで新潟から来ていた登山者と少し話した。自分にとっては飯豊山系は秘境のようなイメージだったけど、新潟からは近いようで、シーズン中の飯豊本山は非常に混雑するそうだ。その後下り始めたが、こちらも丸森尾根と負けず劣らずの急斜面の連続だった。扇ノ地紙の標高は1889m。登山口の標高は406mだから、1500mほどの標高差がある。1500m登るのも大変だけど、下るのも同じくらいに大変だ。途中の水場、五郎清水で休憩し、食パンを食べてエネルギー補給。
今回のバックパックはGo LiteのJam2を使用。荷物の半分は食料。 |
急斜面を冷や冷やしながら下り、14:15無事に登山口に到着した。下りながらこれからどうするかいろいろと考えた。このまま帰るのはあまりにも悔しい。どこか近くのアウトドアショップで新しい靴を買って戻ってくるか、アマゾンで注文して近くのコンビニで受け取るか。いずれにしても、ネットが繋がるところまで移動して考えることにした。
ネットで調べてみると、アウトドアショップがあるのは米沢か新潟。どちらも100㎞近くある。アマゾンで注文しても、受け取れるのは大分先になりそうだ。そこで思い出したのが、行きがけに見かけたホームセンターのコメリ。なんちゃってトレッキングシューズのようなものならあるかもしれない。今いる小国町ではおそらく唯一の選択肢だ。早速車でコメリに向かった。靴は安全靴系は多いが、普通の靴は3種類ほどの選択肢しかなかった。その中で最もソールのグリップがよさそうなものを選んだ。値段はなんと税込み1280円!それでも3つの中では一番高価なものだった。買ったのはこれ。
ホームセンターコメリで買った1280円の靴 |
デザインは言うまでもなく、街歩き用の靴としても貧弱な感じは否めない。デザインからして中高年向けというよりも高齢者向けか。サイズも27㎝までしかなく、自分には27㎝でぎりぎりOKという感じだった。幅が広すぎてフィット感とかホールド感とかは期待できるはずもないが、壊れた靴からインソールを入れ替えると多少ましになった。いくら何でも数日の山登りくらいには耐えてくれるだろう。
日帰り入浴可能な飯豊温泉梅花皮荘 |
この日は飯豊温泉梅花皮荘(かいらぎ荘)の温泉(500円)に入ってリフレッシュし、再び飯豊山荘の駐車場に戻って2日目の車中泊となった。それにしても、2回連続で靴が壊れるというアクシデントではあったけど、このまま帰るのも自由、これからどうするかも自由、慌てて家に帰る必要もないという感覚、悪いものではなく、むしろ爽快な感じさえした。この日の歩行ルート。
1日目の歩行ルート。丸森尾根→地神山→梶川尾根(Yamakei Onlineにて作成) |
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