2023年10月14日土曜日

笠取小屋から甲武信ヶ岳を越えて四里観音小屋へ~奥秩父縦走記2023年10月(3日目)

 2023年10月7日(土)、この日は奥秩父笠取小屋のテント場で朝を迎えた。

今朝は4℃と昨日よりもわずかに冷え込んだが、風がないおかげで快適な夜を過ごすことができた。この日も5時過ぎに起床、塩ラーメンの朝食を食べ、コーヒーを飲んで6:31テント場を出発。


今日は甲武信ヶ岳を越えて十文字小屋、できればもう少し先の四里観音小屋まで行きたいと思っている。


まずは雁峠から燕山への登りに掛かる。


雁峠の全景。


今日は雲が多いけど青空も覗く悪くない天気。


7:17燕山。


さらに近づいてきた富士山。右下に見えるのは甲府の市街地かな。


笹原の疎林を進む。


この辺りは尾根伝いの気持ちのいい道が続く。巻き道もあるけどやっぱり尾根道を選択。


7:51古礼山。


さらに8:14水晶山。


ここは山頂が広場になっていてビバークできそう。


ここから雁坂峠に向けて下っていく。山の北側は苔むしてじめっとした雰囲気。


前方に見えてきたのは雁坂嶺。


ここで思わぬハプニングが。8時半ごろ、雁坂小屋への分岐点から雁坂峠へ向かう鞍部で尾根の左手(南側)に大型動物の気配を感じたのでこちらの気配を消して立ち止まる。シカかと思っていると、


15mほど先に出てきたのは、、、クマ!ただ、こちらが先に気付いたのでクマはこちらに気付けば逃げるだろうとわりと冷静に写真を撮った。すると案の定慌てて走りだしたが、驚いたことにそのまま下っていくのではなく、縦走路を越えて反対側の斜面を掛け下っていった!

上の写真の拡大図

真っ黒い体にものすごい鼻息。それに犬のような速さ。しばらくしてから恐怖心が湧いてきたのだった。初めて見た野生のクマ、たぶん熊鈴を鳴らしていたら先に気付かれて姿を見ることはできなかっただろう。ラッキーというか何というか。


何事もなかったからよかったものの、後から考えると結構きわどかったかもしれない。今年はいつになくクマがらみの事故が多いし、やっぱり熊鈴は必携ですね。ドキドキしながら8:42雁坂峠に到着。


南アルプスの三伏峠、北アルプスの針ノ木峠と並んで日本三大峠の一つらしい。さて、ここから川又方面に下ることもできるのだが、天気はいいしここで山を下りるのはもったいない。予定通りもう1泊して明日下山しよう。と少し進むと今度はシカの鳴き声が。


こちらの気配を消してカメラを構えると、鳴いた1頭のあとにもう1頭出てきて、そろって去っていったのだった。


さて、ここからは再び雁坂嶺、破風山と続く尾根ルート。さらにこれまでよりも標高も上がっていく。気持ちを切り替えて登っていこう。


9:13雁坂嶺。


破風山と、その奥真ん中がたぶん甲武信ヶ岳。


9:37、開けた鞍部で富士山を眺めながらの大休止。例によってバナナチップを食べる。クマが出てきそうで気の抜けない休憩となった。


東破風山を越えると広瀬ダム越しに富士山が見える。


そして10:33破風山に到着。


遥か下に破風山避難小屋が見える。マジか、こんなに下るのか!目測で標高差200mくらい。せっかく2300mまで登ってきたのに。。。


天気はほぼ快晴で絶好の登山日和りたが、西からだんだん雲が迫ってきたような気が。天気は下り坂で、明日の夜には雨の予報。


一気に下って10:57破風山避難小屋。


全然覚えてなかったが、さっき確認すると前回2010年の2泊目はここに泊っていた。


ここからいよいよ今回の最高峰、2475mの甲武信ヶ岳に向けて登っていく。


歩いてきた破風山方面。


途中の木賊山には巻き道もあるが、今回の山行の完成度、というか自己満足度を高めるため頑張って登っていく。


もう霜柱ができている!


この辺りは甲武信小屋が近いせいか、俄然人通りが増えてきた。11:53木賊山に到着。


前方にそびえる甲武信ヶ岳。木賊山からはすぐだったような気がしたが、かなり下ってまた登り返すみたい。


甲武信から金峰山に連なる奥秩父主脈の尾根、その奥は八ヶ岳。


12:04鞍部にある甲武信小屋横を通過。ここは水が有料なのでスルー。


12:19、3度目となる甲武信ヶ岳登頂。さすがに3連休初日の土曜日で天気もいいので人だらけ。


南アルプス方面も望めるいい天気だが、落ち着かないので写真を撮ってさっさと下ることに。


再び下って登り返して12:47三宝山。こちらは展望なし。


あとは十文字峠までのんびり下るだけ、と思っているとここからがきつかった!ごつごつした岩に木の根が絡む歩きにくい道、さらにものすごいアップダウン。


こんなギザギザの細い尾根が続く。そういえば2020年に逆から歩いた時もきつかったなあ。


14:05、大山という岩山の頂上が日当たりがよくて温かいのでようやく午後休憩。黒糖かりんとうで栄養補給しておく。ようやく荷物の2/3を占めていた食料が少なくなってきて、雨蓋が閉まるようになったプチクロワール。


こんな岩場の上り下りをこなす。


そして14:50とりあえずの目的地、十文字小屋に到着。疲れたけど人が多いし、まだ時間はあるので少し先の四里観音小屋まで歩くことにする。


とその前に、一応地図には四里観音小屋にも水場のマークはあるけど心配なのでここに水を満タンにしておく。ここの水場は5分くらい下ったところにある。少し遠め。


ここからは栃本、川又方面に下る道に入る。


苔の生育に適した環境なのか、ものすごい苔むし状態。


15:24川又(谷筋)と栃本(尾根筋)との分岐点。栃本方面に進む。ちなみに川又方面は林道崩壊で現在通行止めとのこと。


15:26四里観音。


そして15:47ようやく四里観音小屋に到着。思ったより新しめで随分立派な小屋だった。3連休初日の土曜日だけど、だれもいないので今夜は小屋に泊ることに。確認はしてないけど水場へは2分との表示があった。


クマを見た後だけにやっぱり小屋は安心感がある。


いつものようにまぜご飯の夕食を済ませ、のんびりラジオを聴きながら就寝。今日前半は気持ちよく最高の山歩きができたけど後半はひたすらきつかった。。。奥秩父主脈、個人的には将監峠から雁坂峠の区間がハイライトかな。

この日の歩行ルート(ヤマケイオンラインで作成)